婚活をテーマに、男女間の意識のすれ違いや母娘の癒着を、真正面から扱った、直木賞作家・辻村深月の小説「傲慢と善良」。
結婚相談所でも話題になっています。
結婚には自己肯定感が大事!その理解は相当浸透してきました。
でもゆがんだ「自己愛」からのお相手選びは…終わりなき不毛な婚活を作り出します。
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本日のテーマ
傲慢と善良。
これは私達のこと?
「私が善良、あなたが傲慢?」(笑)
いや本当はそうなんですよ、実は。
私たちはいいから、この本の話どうぞ。
辻村深月さんという直木賞作家の「傲慢と善良」という本。これはまさに婚活を扱ってるんですよ。30代の若い人達の婚活。
相手選びとは?
この「傲慢と善良」とはどういう意味なのか、ですね。
そもそも一般に「婚活って相手選び」と言われてますよね。
確かに一般には「婚活は相手選び」ですね。
ただよく考えると、「人が人を選ぶ」っていうのはどういうことなんだろう?と。「人の値踏みをしないといけない」。社会経験や恋愛経験が少ない人でも相手の値踏みをして、選んだり選ばれたりという体験の積み重ねですよね。
なるほど。私も初めて結婚相談所に来た時びっくりしました。
びっくりした?
だって「どこの大学とか年収とかだけでお見合い相手を決めるの?」って。そのころは紙面だけだったのでその人がどういう人かとか関係なく選ばなきゃいけない。まさに値踏み。
善良な人ほど罪悪感が
そこでいろんな試練に出会うわけですよ。やっぱり選ばれないと屈辱を味わうじゃない。あまり挫折したことのない人だったりしたらすごい屈辱ですよね。
なるほど。友達とパーティーとかに出ると友達の方がめちゃめちゃモテてがっかり…みたいなことありますよね。
みんなある意味ライバルだしね。そこに駆け引きもあったり。だからある意味人が持っている醜さが出ざるを得ないっていうか。
確かに!婚活ってそういう醜い気持ちになる時に特に苦しかったりしますよね。
特に自分のことをあまり疑ったことのない人、「自分は善良な人だ」って思っている人こそ苦しむと。
そういうことね!百戦錬磨みたいな人はあまり苦しまなくて済むと。経験してる人は逆にシステムの中でそうやられてるから大体想像がつくんだけど、全く善良でちょっと未経験の人はいきなり差別的環境に放り出されるみたいな痛い目に遭っちゃう!
そして「自分もある意味差別する側に回らないと」って思うと。
そうそう。「相手選び」=「差別する側」だと。だからすごく罪悪感なんですよね。
相手選びの段階で、「自分自身が幸せになるのは相手次第」と思い込んでいる人にとっては、「いいお相手選び」のサバイバル。そして「高望みをしてがっかり」の繰り返し。
それで疲れちゃうと。この婚活市場の中ではみんな商品で、値段が付いてるんだと。
それがシステムの問題?
システム自体が傲慢を生み出す。
「ピンと来ない」の正体
そして「ピンと来ない」?
「ピンと来ない」の正体ね。婚活における「自己価値」=自分の市場価値は高くないと思っている。「自分は上ランクではないな。中の下ぐらいかな」みたいな?それなのに「自己愛が異様に強い」と。
それは「自己愛」というより自己への執着ね。
すごい少子化で親にものすごい大事に扱われてきた。お金も投資されてるし。ものすごい大事にされてきてるから、だからどこかで「自分はすごい価値がある人なんだ」って思っている。そこに「こんなに愛されてきた」っていうプライドがある。
自己愛からくるプライド
「自分はこんなに愛されてきたんだ」っていうプライドになっちゃってるわけねー。でも本当はそれは過干渉だったり過保護だったりしてるわけだ。
そうですね。
2人の親が1人の子供に向かって一生懸命いろんなことを「こうしたらダメよ」「お外は怖いのよ」って教え込んで、それで「親のためにも安全で無難で幸せな人生を」って考えるわけだ。そして婚活相手に出会って、うーん「ピンと来ません!」となるわけだ!
たまに、「この人自分の目で見てるんじゃなくて、『この相手選んだら親がどう思うかな』と考えてるんだろうな」って思う時ありますよね。
そうですね。だから親の敷いたレールからちょっとでも外れると「ほら外れたわよ」みたいに言われながら一生懸命生きてきたと。「ピンと来る人だったらきっと幸せになれるわよ」とか親に言われたりして、自分の見る目に自信ないから親にプロフィール段階で一緒に見てもらったりする人も案外いますよね。「こういう人いいじゃない」「ほらこの人がいいわよ!」みたいな。
今度どんな人と会うか親は知ってたりね。
それ自体はあまり問題を感じないですけど、そんな感じで親の期待に応えるように、プロフィールでは明らかに「無難」な人を選んで、会って案の定「ピンと来ません…」ってことになる。
自分のセンスが信じられない
問題は結局「安全が先」だからですよ。親は失敗が怖いわけですよね。
誰しも、その時ピンと来たものを自由に選ぶのが生きるモチベーションになるのに、親はついつい心配してしまうわけですね。特に1人っ子なんかの場合は。
そして本人も迎合して無難な人をついつい選んで…ピンと来ない。
自分の感覚とか直感とかセンスでプロフィールを選ぶんじゃなくて、「ここ以上はダメ、こっち以下はだめ」、「この路線でもう決めないとね」。
相手は何万人もいるのに「この中だとすごい人数が少ないわね」って思いながら、じゃあこれで会ってみるか…みたいな。で、「やっぱりピンと来ないんですよ」みたいになっちゃうってことね。
なるほどね。
自己愛の正体は?
だからこれが本当の「自己愛」かってことですよ。違いますよね?
動機が恐れから来ていますよね。「間違った道に行っちゃいけない」っていうコントロールから来てますよね。それは愛じゃなく執着。
問題は選ぶ側に回った時に相手に対する評価が手厳しくなってしまうこと。自分は選ばれる側の人間でもある。選ばれる対象。その時に自己評価が甘い、とね。
甘い?
年収だけに限って言えば、例えば年収200万の自分が年収800万900万の相手を選ぶって、常識的に考えればなんかちょっと躊躇があったりするじゃないですか。自分にそういう権利があるんだろうか?とね。でもそこは飛ばしがち。その「自己愛」というプライドが盲目にさせる。
「自己愛」というプライドの根拠は結局「親との癒着」なんですよね。親に対する依存。
だから同様に、婚活分野もお相手に依存していいってことになっちゃうんですね!
それは大きいかもね。小説ではそれ以上踏み込めていない。
傲慢になる理由
愛されてるって感じてるんだけど依存しているから自由がない。親子2人の価値観は違うのに一緒んあだとつい思い込んでしまう。自分自身は親が実はうざいんだけど、よくわからないうちにそれに導かれちゃってるみたいな、そんな感じかもしれないですね。
それからもっと言うと、子供の方もどこかで疑っている。その親が語ってくれるストーリー、こういう相手を選んでこういう結婚をすればあなたは一生幸せなのよってストーリーがあるじゃない。「私はこうしてきました」とかお母さんやお父さんが言ったとする。でも子供は心のどこかでこの2人は本当に幸せなんだろうかと、どこかで疑いがある。
自分のやってきたことを子供に伝えて「それが幸せの路線だよ」っていいながら、もう片方では「自分がこうやってきて失敗したのでお前にはそうじゃなくてこうなってほしい」と違うことを提案する。
夢というかね。自分が叶わなかった夢とかを押しつける人もいますね。
自分がなれなかったことを押し付けることになっちゃうから、ものすごく苦しいことになっちゃうんですよね。
それを愛情だって疑っていないからね。
親は子供を気にしてるんですよね。「自分がなったみたいになってほしくない」と。
本当は「自分の生き方がこれだけ素晴らしくてお前もそうなりなさい」って言ってる人はあまりいなくて、自分はこういうふうにやってきたんだけどこの程度だからあなたはもっと早いうちからこういうふうにやりなさいみたいなね。
「私が人生2回あったらそうするわ」みたいな感じで言ってる人が多いわけで。
自分の2回目の人生を子供に託してるみたいな。それはなかなか面白い。
そうなんですね結局ねー。だから傲慢になっちゃう。
ではどうすれば?
じゃあどうしていったらいいのかって話。
そうですよ。本当困っちゃいますよね。とにかく親との癒着に気が付くのが大事ですよね。親の価値観と自分の価値観は本当は一緒じゃないはずですよ。
時代も違うし、環境も全然違うよね。
そうそう。100人いれば100人全員目的が違うことで生まれてきてるわけだから、親と自分の目的が一緒なわけがないんですよね。
癒着と親密な関係の違いを言っておきますね。
癒着はくっついてるんですよ。べったりと。だから行動が規制されて辛いんです。親密な関係っていうのはすごく近く感じるんだけどお互いの自由を尊重し合ってる。
大事なのはそこだね。尊重っていうか、適度な距離、ね。
お互いの自由を尊重するんだってことを意図すると、この傲慢がなくなっていきますよね。傲慢と善良ってまさに対比されている。
裏表だもんね。
ここで言うと、過剰に相手に合わせちゃってるのが「善良」なんですね。
傲慢と善良のサイクル
この話で分かったことっていうのは、蝶よ花よと親2人子1人で1人っ子じゃなくても1人っ子のようにして、本当に大事に育てられていっぱいいろんな心配されて、過保護とか過干渉で育てられたからこそ「傲慢」なんだっていうこと。
そして「自分が相手を選んでいい」と思ってしまう、その対等じゃない感じ。人のことを見下しちゃう。そして見下してるから「もっといい相手を」って望んで高望み現象が起きる。
そして「いつまでも結婚できない」。あるいは「結婚しても別れちゃう」という現象が繰り返し起きてるってことですよね。
これはまずいじゃないですか。まさに傲慢と善良。これって多いかも。
悪循環を超える道
大事なことは対等さですよ。対等さを目指すってこと。相手が言ってることに全面的に100%OKなんてあまりないんだって。親じゃなくても例えば夫婦でも。そこで対等になろうって努力をするんです。
これは「お互いに」じゃなくて一方的にもできますよ。
相手は今日会ったお見合い相手とか、パッと数日前にあった交際相手で何も知らなくても、自分自身がこの人ちょっとモラハラチックな感じがするぞと思ったらそこでもっと対等になる、ということができます。
例えばその人が「こうすべきだ!」って言ってたら「そうすべきなんですか?なるほど。私はちょっと違う考え持ってます」みたいなことを言ってみるとか。
とにかくいろいろチャレンジして対等になれるよう工夫していく。それがあれば関係性はリフレッシュするんです。
それがこれ=傲慢と善良の悪しきパターンを覆す道。傲慢と善良ってまさに悪循環だから。
そこから抜けるっていうか、越える道。
対等さにコミットメント。
本日のまとめ
それで傲慢と善良の悪循環もそうですが、そういったものの考え方なども、人間関係では何が問題なんだかわからないっていうのあるじゃないですか。
ぜひ、何か困っていることがあったら体験カウンセリングを利用してくださいね!
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では今日はここまでで、ありがとうございました。
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